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JOURNAL

Three-man Talk

by Yuichi Toyama / Masahiro Maruyama / Toshinori Shiki
2023.11.27

(左から)志岐 俊典 / 丸山 正宏 / 外山 雄一

-アイウェア鼎談企画- vol.1

 

今回フューチャーするのは、コンティニュエでも人気が高い〈YUICHI TOYAMA.〉と〈MASAHIROMARUYAMA〉。両者のデザイナーである外山氏と丸山氏は過去に、同じ会社に所属し、ほぼ隣同士にデスクを構えながら数年間アイウェアデザインの仕事に従事していたという。その後独立からブランド立ち上げの時期も近く、それぞれ設立から10年が経過。過去から現在までを知るという旧知の仲である二人と、今回はコンティニュエ店長志岐を交えてのアイウェア談義。

 

*収録 2023年10月30日(月)

Photo by Kanta Matsubayashi

Text by Shigeyuki Nemoto

 

EYEWEAR DESIGNER

外山 雄一

〈ユウイチトヤマ.〉デザイナー(以下:外山)

 

EYEWEAR DESIGNER

丸山 正宏

〈マサヒロマルヤマ〉デザイナー(以下:丸山)

 

Continuer SHOP MANAGER

志岐 俊典

コンティニュエ〈恵比寿本店〉店長(以下:志岐)

 

 

–外山さん、丸山さん、お互いの印象は? –

志岐:まずはお忙しい中、この企画にご参加いただきありがとうございます。これまでそれぞれ個別のインタビュー形式などはありましたが、デザイナーさん同士を一緒の場に招き、お話をするという機会を作ってみたかったので嬉しいです。改めてこういったカタチでお二人が揃うのも新鮮ですね。

 

外山:確かに新鮮ですね。普段お互いに会っても特別何も意識はしないけど、改めて面と向かっていざ話すとなると、少し照れ臭い気も。

 

丸山:そうですね。でも前にコンティニュエさんと別の打合せしている時に、誰と対談したいか?という話になって、真っ先に思い浮かんだのが外山さんでした。お互いのブランドも10年が経過し、デザイナーの先輩である外山さんとこのタイミングで少しでも振り返れたら光栄だなと思いましたし、外山さんであれば自分のブランドをよく知ってくれてもいる。お互いがお互いのオリジナリティを伝える事によって、新しい切り口でブランドの事を伝えられたらと。何より話しやすいし、気を使わないで話せる部分があります。

 

志岐:お二人が以前、アイウェア製作などを手掛ける会社内でデザイナーとして一緒に働かれていたのは知っていたのですが、お互いの人柄やブランドの事はどのように思っているのか、聞いた事はありませんでしたね。まずはお互いの人柄に関してお聞きしても良いですか?

 

外山:丸ちゃんの印象は、ズバリ“不思議”な人。多分丸ちゃんを知っている人なら僕と同じ感想を持っている人も多いと思いますけど(笑)。 でも、25年以上の付き合いになるし、距離感も近いから、その不思議を感じる濃度は皆さんよりは薄いと思いますが。あとは、自分なりのブレないこだわりを持っている人だなと常々感じる一方で、会社員時代から感じているのは“器用”さ。僕は意外とあまり物事を割り切れずに、どちらかというと器用に出来なかったのですが、丸ちゃんは社内外うまく渡り歩く器用さを案外持っていて。その人としてのバランス感覚が面白いですね。それとたまに飛び出す辛口なコメントも魅力です。

 

志岐:たまに出る丸山さんの辛口感分かります(笑)。おっしゃられた中でいうと、不思議さとはどんな部分で感じますか?

 

外山:例えば人との会話の中だと、大体次に投げられる言葉のイメージをお互いに何となく感じ取ってキャッチボールしている事もあると思うんですが、丸ちゃんの場合は、予想外の言葉が急に飛んでくる事が結構あって。今、隣でふーんって言っているくらいですし(笑)。けどそれは不思議というより独創的で、僕は面白い感覚だなと感じる事が多いですけど。

 

志岐:(笑)。丸山さんから見て外山さんの印象はどうですか?

 

丸山:外山さんは僕が新入社員のような歳からずっと面倒見の良い先輩として、若い頃から変わらずに、大きな優しさを持っている人ですね。それは別にみんなにただ優しく振舞っているわけではなくて、しっかりとした考えのもとに真摯に行動されているのでウソがない。今でも同世代・先輩・後輩問わず、いつも皆に慕われています。若い頃は僕も結構助けていただいた事があったし、本当にちゃんと見てくれていて。

 

志岐:外山さんの周りにいらっしゃる方々を見ていても、とても慕われているんだろうなという空気感をすごく感じますよね。それにコンティニュエとの取り組みでもいつも真摯に向き合っていただいていて、とてもありがいです。

 

外山:ちょっと改めてこういう事を面と向かって言ったり言われたりする事もないから、どんな顔して聞いていれば良いかわかんないですね(笑)。

 

 

 

 

– 両者のブランドについて思う事

外山:〈MASAHIROMARUYAMA〉というブランドの事で言えば、さっき話した丸ちゃんの人柄とプロダクトが、ぴったりイコールになっていると思っています。パッと見の独創性だけではなく、時代感やトレンドをしっかり捉えるような器用な面が垣間見えたり、一方、頑なに自分の美意識を表現したシェイプの美しさがあったり、そういう要素がミックスされている。僕から見て丸ちゃんそのものが、ブランドで製作しているアイウェアに全て繋がっている印象です。案外その自分らしいというのを貫いていく事って難しい場合もあるから、めちゃくちゃ格好良いと思いますよ。それとコンセプトや構造のユニークさはもちろん目に留まりますが、僕は特に、丸ちゃんの描くシェイプそのものがすごく綺麗だなと感じますね。

 

志岐:それはすごくそう思います。僕も〈MASAHIROMARUYAMA〉から感じるのは、まずは完成度の高いアイウェアとして、シェイプデザインの美しさが目に留まります。そこに左右非対称の造形であったり、シーズン毎の独創的なコンセプトをプラスして唯一無二の存在感が生まれているようなイメージ。だからただ奇抜なのではなく、ちゃんと道具としてのバランスが成り立っている。

 

丸山:ありがとうございます。僕の感覚としては、せっかくならユニークで面白いと思ってもらえるようなプロダクトを作りたいと思いつつも、やっぱり日常愛用するメガネとしても完成度が高くて、自分が美くしいと感じるシェイプのものにしたいという思いがあるので、そのように捉えていただけているのは嬉しいですね。それでも外山さんや志岐さんは数多くのアイウェアを見てきたプロだからイメージ通り捉えていただいているのかなと思いますが、初見のお客様にどのように見られているのかは結構冒険というか、僕自身分かっていないんですよね。

 

志岐:僕は毎日お客様と接し、ブランドを紹介させていただいている立場ですが、丸山さんの商品でも意外に初見で左右非対称だと捉えて手に取る訳ではなく、素直な感覚で、綺麗な佇まいのメガネだと思って手に取るお客様も多いですよ。もちろん色や構造が特徴的なものは、コンセプチュアルなアイウェアだと一発で分かりやすいと思うんですが、比較的シンプルなセルフレームなどに関してはこちらからお伝えして、初めて気付いていただく方も少なくありません。

 

外山:奇抜なアイウェアを作ろうと思えば、やったもん勝ちで作れてしまいますが、最終的に顔に当てた時の完成度というか、カタチが綺麗かつ構造上も無理しているわけだはなく、しっかりと“整っている”というのが〈MASAHIROMARUYAMA〉の良さですよね。

 

志岐:丸山さんから見て〈YUICHI TOYAMA.〉の印象はどうですか?

 

丸山:外山さんは仕事や物づくりにおいてかなり一途というか、恐ろしいくらに熱心で、やれる事は全てやるというくらいの方なので、そういった部分は今の〈YUICHI TOYAMA.〉からも感じます。元々が本当に細かい所までこだわって突き詰める方だったので、今のブランドのディティールなどを見てもそれが表れているように思いますね。

 

外山:会社員時代のインハウスデザイナーとしてや、その後フリーランス期間のデザイナーとして実現出来なかった部分や頭の中にあったイメージを、今ある程度カタチには出来ているかもしれない。

 

志岐:確かにどのプロダクトを見ても細やかにディティールへのこだわりはすごく感じます。あと、総じて外山さんが描くシェイプは、人柄の話でも出てきましたが、優しさが伝わってくるというか、掛け手に馴染み、寄り添っているモデルが多いと思っています。それは誰でも似合うというような、決して低い所で迎合しているという事ではなく、どこか個性を引き上げてくれるような。さらにいうと、僕が思うお二人のプロダクトから感じる共通のイメージは、より抽象的になりますが、単なる“わかりやすさ”ではなく、時間を経てじんわり浮かび上がってくる底が深い美しさですね。それぞれにしっかりとユーザーを掴む一見してわかりやすい構造やディティールも存在しますが、自分としては何よりお二方が描くシェイプそのものの綺麗さや、わかりにくい部分にこそ宿るこだわりをお客様に伝えていきたいです。

 

外山:ありがとうございます。僕ら二人に共通して、今までどれだけの玉型を描いてきたかという経験値には自信がありますし、それをこれからももっと磨いて、センスとして昇華される部分を積み上げていきたい。ふと机にメガネを置いた瞬間などにやっぱり綺麗だなと思ってもらえたり、3年後、もしくは10年後改めて眺めた時に〈MASAHIROMARUYAMA〉の丸ちゃんらしい線だなとか、自分らしいデザインだなとか、そういう風に感じてもらえるようなプロダクトをお互いこれからも作っていきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

– そういえば。 –

外山:あと、そういえば自分らしさみたいな事でいえば、デザイン上の“アイデンティティ”を突き詰めなきゃと思うきっかけをくれたのも、思い返せば丸ちゃんだったかも。

 

志岐:そうなんですか。何かきっかけとなる様な出来事が?

 

外山:そう、ブランドを立ち上げた10年前、初めて海外の展示会に小さいブース借りて隣同士に並んで出たんですよ。あの時、前を歩いて通過していく海外のバイヤーさんたちのリアクションでいえば、〈MASAHIROMARUYAMA〉には何か新しさみたいなものを感じ取って一旦立ち止まって見られるんだけど、自分のブランドを見る時は “ジャパニーズクラシックなメガネ”という大きく一括りにされているような感じで、あまり立ち止まってくれず反応が薄かったのを今でも覚えていて。

 

丸山:10年前という事は、YUICHI TOYAMA.の前進ブランド「USH」で活動されていた時ですか?

 

外山:そうですね。もちろんその時も自分なりに思いを込めて製作はしていたんですが、やっぱりこれではダメだと。もっと自分なりのデザインを突き詰めて、本当にやりたい事を表現しなくてはいけないなという気持ちになったのは、隣にいたブランドが丸ちゃんのブランドだったからこそ。もしかして違うブランドさんが隣だったら、そういう思いが生まれてこなかった可能性が大いにあるし、一緒に展示会に出れて、それに気付けて本当に良かった。

 

丸山:そう言っていただけて光栄です。振り返ればそんな事もありましたが、今の〈YUICHI TOYAMA.〉からは語らずとも、外山さんのデザインだというアイデンティティが自然と溢れているように思います。

 

志岐:お二人の深い繋がりと現在に至る流れのようなものを感じられる素敵なエピソードですね。今では国内外で多くのファンが〈YUICHI TOYAMA.〉の魅力を感じ、〈YUICHI TOYAMA.〉といえば、シグネチャーであるダブルダッチデザインであったり、プレステージラインである〈YUICHI TOYAMA:5〉も今すごい人気ですよね。年末にかけてはあの世界的クチュールブランドである〈GIORGIO ARMANI〉とのカプセルコレクションが発売となりますし、これからの外山さんの活動、ますます楽しみです。

 

 

 

 

 

–MY FAVORITE–

志岐:ではせっかくなので、今回それぞれで持ってきていただいた「マイ・フェイバリット」に関して一言お願いします。

 

丸山:自分が製作したコレクションは基本どれも気に入っているのですが、その中でも〈MASAHIROMARUYAMA〉らしいというか、シグネチャーとなるようなシリーズを3本ピックアップしました。(写真上)の1stコレクション“デッサン”の定番モデルですが、そういえば最初のコレクションを発表するときも、外山さんに何型作れば良いかなど相談していましたね。それと最初、本当はもっと変わったデザインのものを作ろうかと頭の中にはイメージしていたのですが、自分は石橋を叩いて渡る、慎重なタイプでもあるので、1stコレクションですし、受け入れてもらうにはどう表現すれば良いかよく考えました。その結果シンプルに鉛筆のデッサンの線をプロダクトに落とし込むという、掛けやすさとデザイン性が良いバランスで同居した、他にはないアイウェアを作る事が出来た。今でもブランドの根幹となる定番シリーズとして作り続けていられるのはとても幸せな事です。

 

また(写真下)2度目の「シルモドール」を受賞させていただいた“kintsugi – 金継ぎ”はやはり思い入れも強く、気に入っているデザインですね。

 

 

志岐:では続けて僕のフェイバリットを。お二方のブランドから購入した私物を紹介させてください。(写真上)〈MASAHIROMARUYAMA〉の“sculpt”シリーズから小ぶりサイズの新作が当時出たので、嬉しくてすぐ作りました。それまでは大きなサイズの展開が多く、度数の強い自分には好きなデザインでも中々作れる機会がなくて。また、このテーマ“スカルプト=彫刻”のコンセプトである荒く削り出した上に、さらにテクスチャーを出すためのキズをつける手法など、初めて見た時は衝撃的でした。例のごとく見た目よりも顔に馴染みます。

 

(写真下)〈YUICHI TOYAMA.〉のモデルはContinuerの完全別注型です。ブランドの取り扱いがスタートしたきっかけのモデルで、外山さんとも打合せを重ねて出来上がったプロダクトなので思い入れが強いですね。ダブルダッチデザインをベースに、当時まだ潮流として新鮮だった縦浅のシェイプを気に入って作りました。この縦浅感は、今改めて見てもトレンディーなデザインですね。

 

 

外山:(写真上)前の話にも出ていた自分らしいデザインとは?のアンサーとなったデザインです。2本の線で形成するダブルダッチデザインを採用した初期のモデルで、やはり自分はクラシックベースのアイウェアが好きなので、全体像としてはタイムレスな印象は出したかった。けどそれに留まらず、どこか心地よく感じられる違和感、それがオリジナリティと言えたり、モダンなムードとも言えるかもですが、そういったあまりカテゴライズされにくい自分好みなアイウェアデザインの手法が見えたモデルですね。そして、このダブルダッチという納得出来るデザインが生まれた事で、いざ自身の名前を冠したブランド名に変えようと思った大きな理由にもなりましたし、新たなスタートを切って今に繋がるターニングポイントとなったデザインでもあります。

 

(写真下)そしてもうひとつ持ってきたのは、2023年の12月に発売となる〈GIORGIO ARMANI〉とのカプセルコレクションのモデルです。

 

 

GIORGIO ARMANI YUICHI TOYAMA.について –

志岐:今回外山さんにお持ちいただいたプロダクトの中にある〈GIORGIO ARMANI YUICHI TOYAMA.〉ですが、僕自身、初めてこの取り組みの話をお聞きした時は、シンプルにすごいなと思いましたし、どんなMIX具合でお互いの色が出たプロダクトが出来上がってくるのか楽しみでした。

 

丸山:〈GIORGIO ARMANI〉のアイウェアといえば、二人がまだ一緒の会社に居た当時、90年代前半には、良く二人ともリファレンスにもしていたというか、注目していたアイウェアでもあったので、巡り巡って、外山さんが実現したこのコラボレーションは僕自身としても感慨深いですね。

 

外山:ありがとう。丸ちゃんにはヨーロッパの展示会(SILMO)の会場で見てもらったと思うけど、デザインなどの詳しい話はせずとも色々感じてとってくれているんだろうなと思ったよ。

 

志岐:〈YUICHI TOYAMA.〉に声が掛かった時どう思いましたか?

 

外山:先方からお話をいただいた時は、やはり世界的なブランドですし、とても身が引き締まる思いであったのと同時に、〈YUICHI TOYAMA.〉というブランドのフィルターを通すなら、こうしてみたいという思いがすぐに浮かび上がってきました。

 

志岐:今回のカプセルコレクションにおいても、外山さんのシグネチャーであるダブルダッチデザインをベースにされていますね。

 

外山:はい。今回は僕自身も影響を受けた〈GIORGIO ARMANI〉のアーカイブをサンプルリングし、ダブルダッチデザインを採用しながら全4型製作したんですが、その製作に取り掛かる前には、お互いデザインする上での美意識の共通点を探し、“Black On Black”というテーマを提案してOKをいただきました。

 

志岐:展示会で拝見した時、品のあるデザイン性を感じてとても素敵だなと思いました。特に、コントラストの異なる「黒」を重ねて生まれる、深みのあるデザインが目を惹きますね。

 

外山:ありがとうございます。今回は、今まで自分たちのブランドだけでは実現出来ないような規模感のプロジェクトを経験させてもらいましたね。プロダクト製作もそうですし、また自分自身でも関わらせていただいたヴィジュアルの映像などもグローバルで流れるようなんで、ぜひ楽しみにしていてください。

 

志岐:プロダクトの詳細は今後、コンティニュエのホームページなどでも順次お伝え出来ればと思いますが、早くお客様に全容をお披露目出来るのは楽しみにしています。

 

*〈GIORGIO ARMANI YUICHI TOYAMA.〉は2023年12月16日(土)より、Continuer(恵比寿本店)、CONTINUER NIHOMBASHI(日本橋)で発売いたします。

 

 

 

– MASAHIROMARUYAMA 2度目のシルモドール受賞について –

*About SILMO D’OR

年に1度、フランス・パリで開催され、世界各国のブランドが出展するアイウェアの展示会「Silmo(シルモ)」。SILMO D’OR(シルモドール)は1994年の創設以来、毎年発表されており、創造的かつ革新的な製品に贈られる、メガネ界では最高の栄誉ある賞とされている。

 

志岐:丸山さんが去年(2022年)2回目のシルモドール受賞を果たした事について、外山さんに伺った事がなかったのでお聞きしたいです。

 

外山:受賞を聞いた時は本当に言葉にならないくらい嬉しかったですね。ちょっと前、1回目の受賞時はコロナ禍という事もあってオンラインで発表だったし、いまいちそれを聞いても実体験として捉えづらかったんですが、昨年、2022年は会場での発表で、自分もその場に立ち会っていたからか、色々と込み上げてくるものがありました。

 

丸山:ありがとうございます。シルモドールに関しては、アイウェアのデザインを志した時、そして自身のブランドをスタートさせる時に、この賞を受賞したいという想いを、一番の大きな目標としていたので、とても光栄な事でした。

 

外山:そうだよね。最初に応募している時からの経緯も知っているし、今まで良かった事も悪かった事もそういうのも全部思い出して、なんか分かんないけど、もう自分の事みたいに感じてしまって。自分はノミネートもされていなのに(笑)。何ならおこがましいけど家族の一員が受賞したみたいにとにかく嬉しくて、すごい感動しました。

 

志岐:その時の丸山さんの表情などはどうでした?

 

外山:本人は全然。しれっといつも通りのテンションと表情で壇上に上がってスピーチしていました(笑)。

 

丸山:僕もそれなりには緊張してましたよ(笑)。それに、正直その他ノミネートされていた、各国ブランドさんの派手さが強調されたデザインの中だと”渋め”であったこの“kintsugi”というプロダクトが評価してもらえたのは、本当に嬉しかったんですよね。決して複雑ではなく、シンプルさの中にある”デザイン性”というのは、アイウェアデザイナーとして一番成し遂げたかった事だったので。

 

志岐:これからも僕らを楽しませてくれるような〈MASAHIROMARUYAMA〉らしいアイウェアが発表されるのを、今後も期待しちゃいます。そして、この受賞時のエピソードもまたお二人の関係がすごく伝わるお話でした。

 

 

 

– 今、聞いてみたい事 –

志岐:では最後に、お二人がそれぞれに今聞いてみたい事などありますか?

 

丸山:そうですね、じゃあ僕から外山さんに質問。最近デザインする上でどういうアプローチしていますか?

 

外山:おお、ちゃんとした質問(笑)。そして意外と答えが難しい。そうだね。以前は意識的に音楽、アートや自然、景観だったりと抽象度の高いアイデアソースを見つけて、“感覚的”にデザインをしていたんだけど、今はそれも継続しつつ、ここ数年は意識的に抽象度を下げたアイデアソースにも注視する様にしてアプローチしているかな。複雑になりそうだからここでは割愛するけど、ざっくりいうと、プロダクト単体に背景と文脈が見えるロジカルなアプローチを心がけています。

 

じゃあ僕からはお二人に。志岐さんへは、“アイウェアに携わる仕事をしていて良かったと思う事”を聞いてみたいのと、丸ちゃんへは、そうだな、“10年後どうしていたい?”

 

志岐:僕への質問までありがとうございます。そうですね。この仕事に就けて良かった点は、メガネの知識と技術は確実に困っている人の助けになれる事。あと一生困らないだけのメガネを所有出来た事、ですかね。

 

丸山:僕は今と変わらないスタンスで、同じ様に、掛け手の皆様が楽しいと感じてもらえるようなデザインを提案していたいですね。これからも人を少しでも幸せにするデザインをしていけたら嬉しいです。

 

外山:お二人らしい回答。今回は改めて色々話せて楽しかった。

 

丸山:そうですね。外山さんや志岐さんと話して、10年前にブランドを立ち上げてから今までの思いをほんの一部ですが、一緒に振り返れる良い機会でした。

 

志岐:こちらこそ貴重なお話が聞けました。お二方とも今日はありがとうございました。これから2023年の年末に向けて、また2024年にも、両ブランドとは楽しみな企画がまだまだ控えています。引き続きショップとしても両ブランドの発展に少しでも関わっていけたら私たちとしても嬉しいです。

 

 

Three-man Talk

by Yuichi Toyama / Masahiro Maruyama / Toshinori Shiki

 

END.