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JOURNAL

大人のハレの日

written by Takako Aoki
2018.12.06

WINTER COLUMN.3

コンティニュエがお届けする冬のコラム。
大人の冬をテーマに、コンティニュエにゆかりのあるクリエーターに書き下ろしてもらいました。

 

休息のお供にご覧ください。

冬の綺麗に晴れた日の、真っ青な空色に心が踊る。いつもの季節より少しだけくっきりした青。天が高くなったように感じるのは、澄んだ空気が景色をクリアに見せるから。そして寒い冬は、お日様を仰げる晴れの日というだけでそれこそ晴れやかな気持ちになって嬉しくなる。

 

ところで、晴れ(ハレ)というのは空が晴れるという状態以外に、儀式やお祭り、年中行事などの「非日常」のはなやかなことや折目、節目などを指します。その意味合いでの対極にあるのが褻(ケ)という言葉、これは「日常」を指します。そもそもハレとケは光と陰のように対に存在する概念。ルーティンなケだけの毎日じゃ元気も無くなっちゃう(気が枯れる=気枯れ=ケガレ=穢れ!らしいです‼︎)から、ハレの日を節目に気持ちを上げて穢れを落として元気に生活をするという考え方。つまり単調なケという日常生活に、気持ちが高揚する折目や節目というハレを設けて、モチベーションを上げて毎日を楽しく暮らして行きましょう!というもの。

 

さて冬って、そんなハレの出来事が目白押しの楽しいシーズンだと思います。私は冬物への衣替えすら節目を感じてワクワクします。コートにジャケット、ストールに手袋etc…単純にスタイリングするアイテムの幅が広がるから他の季節よりおしゃれが数倍面白い。そして衣替えが終わって手持ちの服を再確認したら、今季は何を足そうかなとあれやこれやと考える。この妄想期間がお金もかからないし(笑)とっても楽しい。いろいろ見たり考えることでおしゃれ意欲も高まってきます。毎シーズン、時代を感じさせる着こなしに必要なスパイス的なものが登場します。例えば靴やボトムスや色には特にトレンドがある。そういった新しい要素を加えることで、一気に手持ちのものも今年顔に。だから1つや2つで構わないのでファッションアイテムをアップデートして欲しいなと思います。それだけでおしゃれがグッと楽しくなるから!たとえば今シーズン注目のシャイニー、煌めき小物をどこかに取り入れるだけでも、うんと気持ちが晴れやかになります。

 

ネットでショッピングしたり、誰かのスタイリングをチェックするひとが増えているというけれど、やっぱり百聞は一見にしかず。ショッピングやお洒落はリアルに体験するのがいちばんです。服で言えば肌触りにうっとりしたり、試着してみてパターンの良さに感動したり、似合うものを発見出来たり。直に見て触って、何をワードローブに加えるのか、リアルに体感して選び取っていくのが大人のお洒落道。最近は新しいショッピングセンターや話題の商業施設のオープンも多いので、ショッピングパトロール場所には事欠かない(笑)。知らない場所やモノに出会う刺激はあなたを確実に綺麗に(もしくはカッコ良く)してくれます。思わずアドレナリンが出る運命のアイテムに偶然出会うことだってあるのだからパトロールはぜひともすべき。

おりしも街のウィンドーはそろそろクリスマスに向け華やかなディスプレイに。それらは楽しいハレの日を予感させると同時に、年末までのカウントダウンの始まりを意識させ、そのせわしなさが不思議なことにちょっとワクワクする高揚感を与えてくれる。冬はクリスマスを始め忘年会やお正月などハレの行事が多く、非日常的な華やかな場に行く機会も増える。そんな行事は積極的にドレスアップして楽しんじゃいましょう。そう、ここぞというときは晴れ着を着るのが古くからの習わしです。特別着飾ったりはしゃぐのはみっともないとか面倒なんていうのは無粋、関係ないわなんて言っていたらもったいない。ハレはケを楽しくするために必要だからうんと面白がるのが粋な大人。

 

そして特別な行事の日じゃなくっても、特別な日のようにしてしまえるという能力を身につけられるようになったら毎日はきっとさらに楽しさが増します。昼の綺麗な青空、ふと目についた街の華やかなクリスマスディスプレイ、夜の煌びやかなイルミネーション…そんな日常(ケ)の風景から晴れやかな特別(ハレ)を見つけることができたら、ワクワクする気持ちをたくさん感じることができるんじゃないかと思います。そうやって大人はどんどんハレの日を作って愉しむべき。相反するようだけれどその秘訣は“心弾む特別を日常の中で見つけるのが上手だった子供の頃”のようになること。

 

今度の休日、ハレを探しに街に出かけてみては如何でしょう?気持ちの良いワクワクする、素敵な冬晴れである事を祈っています。

 

青木 貴子
Stylist & Fashion director

 

大人の女性に向けたリュクスでモダンなスタイリングに定評があり、雑誌や広告を中心に活躍。またジュエリーブランド『allan』のデザインや、『GINGER WEB』ではエッセイ連載を執筆するなどファッションに関する様々なフィールドで活動中。<allan>http://allan-tokyo.com <GINGER web>https://gingerweb.jp