LUXURY EYEWEAR|本鼈甲

古くから独特の光沢と質感によって人々を魅了し、王侯貴族の装身具や工芸品として珍重されてきた<本鼈甲=Tortoiseshell>。その希少性と美しさは時を超えて普遍的な価値を保ち続けてきました。16世紀以降、ヨーロッパ各地で鼈甲細工は広く普及し、イギリスやフランスの王室でも多くの装飾品として愛用されていました。やがてその技術はポルトガル船の渡来をきっかけに日本へと伝わり、長崎を中心に独自の発展を遂げ、他には代えがたいラグジュアリーアイウェアへと受け継がれていきます。現在では、ワシントン条約による保護対象となったことから素材の希少性は増し続け、限られた工房のみがその伝統を継承しています。
今回Continuer Inc.では、長年にわたり本鼈甲を専門に扱う工房「大澤鼈甲」を訪問。伝統を継承しつつ、その精緻な技術を用いて新たな本鼈甲のプロダクトを製作し続ける「大澤鼈甲」に協力を得て、本鼈甲フレームの魅力をご紹介いたします。

鼈甲の最大の特徴は、その自然な艶と深みのある色合い。たんぱく質を主成分とする天然素材のため、見た目以上に軽く、肌に触れたときの柔らかさや軽やかな掛け心地にも優れ、長時間の着用でもストレスを感じにくい点も魅力の一つです。さらに、たとえ一部が欠けたり折れたりしても、新たな鼈甲素材を用いて圧着し、修復ができる点も、本素材が“一生もの”と称される所以です。


ウミガメの一種・タイマイの甲羅から採取される希少な素材である鼈甲。背甲や爪甲、腹甲と呼ばれる部位によって表情は異なり、とりわけ爪甲からのみ得られる「白甲」や「オレンジ甲」は、高い透明感と鮮やかな色合いで希少価値の高いもの。また、年齢を重ねた個体ほど厚みのある甲羅を持つため、眼鏡素材として使用できる量が多くなります。





工房では、生地を切り出し、薄い鼈甲の板を複数枚重ね、糸で固定してから熱と圧力で接着します。小さなパーツを組み合わせて1本のフロントやテンプルを成形する工程は、強度や厚み、色味など、素材の個性を見極めながら進められます。押し加減やタイミングは機械的な数値ではなく、職人の経験と感覚に委ねられていました。





また、削りや磨きなど、継承されてきた伝統的な方法を守りつつも、より精度や効率を高めるための工夫も取り入れられています。特にフロントの加工に機材を併用することで、複雑な面構成や繊細なエッジといった“デザイン性の高い意匠”を安定して再現できる点も大きな利点です。





PRODUCT

大澤鼈甲 / Continuer Model.CRW Color.黒並甲

大澤鼈甲 / Continuer Model.PNT Color.茨甲エックス

大澤鼈甲 / Continuer Model.PNT Ⅱ Color.茨甲エックス
ブランドの持つスタイルをベースとした所謂“別注”ではなく、様々な“ファクトリー”や“作り手”とモノづくりに踏み込んだ形でコラボレーションを展開していくプロジェクト〈/ Continuer 〉。大澤鼈甲とのコラボレーションではベーシックなパントシェイプと本鼈甲のアイウェアではあまり見ない、エッジを効かせたカッティングが魅力のモデルなどが展開中。

OLIVER GOLDSMITH Model.SHEPPERTON Color.黒並甲
英国を代表する老舗アイウェアブランド〈OLIVER GOLDSMITH〉からリリースされているのは定番モデルやヨーロピアンなムードを醸すモデル。ブランドらしい力強いシェイプが本鼈甲の素材によって、より深い色合いと品格を漂わせています。

OLIVER GOLDSMITH Model.CONSUL-s Color.黒並甲

ブランドを問わずディテールにK18を使用した特別なモデルも展開中。

本鼈甲のアイウェアは、トレンドに左右されることなく「素材そのもの」が中心にあります。職人の巧みな技術によって形作られる天然素材のフレームは、一本ごとに異なる表情を持ち、他の素材では決して代替のできない存在。アイウェアとして実用性と最上級の質感を兼ね備えた逸品はまさに、時代を超えて輝きを放つ特別な一本といえます。希少性の増す鼈甲のアイウェアは今回ご紹介したモデル以外にも店頭にて取り揃えています。ぜひ、店頭にてご覧ください。

取扱い店舗:
*本鼈甲のフレームの通販は承っておりません。また、本鼈甲はワシントン条約に基づき、国外への持ち出しは禁止されています。ご購入の際のお手続きに関しましてはCONTACTまたは店頭スタッフまでお問い合わせください。
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